ゼラチンシルバーセッション

ゼラチンシルバーセッション(GSS)は銀塩写真でしか表現できない写真の楽しさ、面白さを広く知ってもらうことにより、次の世代のためにも銀塩写真技術や機材、フィルム、印画紙等を守っていく思いを繋げていくプロジェクトです。
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    • GSS 08展 Save The Filmロゴ

      コンタクトプリントとは撮影したフィルムの全てのコマを印画紙に密着プリントしたもので、通常、撮影者はコンタクトプリントを見て引き伸すコマをセレクトします。
      コンタクトプリントを第三者に見せる事は通常ありえないのですが、視線、撮影過程、癖など写真家の行動や個性を解き明かす意味でも、あえてフィルムを丸ごと展示する事にしました。

      • 石塚元太良
      • 笠井爾示
      • 久家靖秀
      • 小林紀晴
      • 小林伸一郎
      • 菅原一剛
      • 鋤田正義
      • 瀬尾浩司
      • 瀧本幹也
      • 辻 佐織
      • 泊 昭雄
      • 中野正貴
      • 蜷川実花
      • M. HASUI
      • ハービー・山口
      • 平間 至
      • 広川泰士
      • 広川智基
      • 藤井 保
      • 藤塚光政
      • 本城直季
      • 宮原夢画
      • 三好耕三
      • 森本美絵
      • 山本哲也
      • 若木信吾

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      • 石塚元太良のセレクトプリント石塚元太良のコンタクトプリント

        「The light once opened backcover of camera」2007年 タイプCプリント

        石塚元太良(いしづか・げんたろう)

        デジタルですべてのことができるかのような時代だがフィルムにしかできないことは、もちろん、もちろん、たくさんある。

        プロフィール
        1977年東京生まれ。写真家。昨年1280キロにわたるアラスカのパイプラインを撮影した「PIPELINE ALASKA」(2007年プチグラパブリッシング刊)で話題になる。ほか写真集に「World Wide Warp」(2004年ヴィジュアルアーツ刊)「WWWWW」(2006年青幻社)がある。新刊「INNER PASSAGE」はエスプレより発売中。
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      • 笠井爾示のセレクトプリント笠井爾示のコンタクトプリント

        「A view from my Darkroom」2005年 ゼラチンシルバープリント

        笠井爾示(かさい・ちかし)

        あたりまえですが、人は忘却する動物だから写真を撮るわけであって、ときにはその忘却を呼び起こすために写真を手に取り、見て、想像する。ただの再確認だけなら他にも手段があるであろう。でも、そのツールとして、皮膚感覚とイマジネーティヴに「安定」しているのはいまなお銀塩であり、それに勝るものはない、というのがぼくの持論です。

        プロフィール
        1970年東京生まれ。多摩美術大学卒業。主にファッション誌、音楽誌、グラビア、CDジャケット、アイドル写真集などで活躍。写真集に「TOKYO DANCE」(1997年/新潮社)「danse Double」(1997年/フォト・リーブル)「波珠」(2001年/青幻舎)などがある。国内外での個展・グループ展多数。
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        • 笠井爾示の「時を経ても残るもの」
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      • 久家靖秀のセレクトプリント久家靖秀のコンタクトプリント

        「塩ノ花」2003年 タイプCプリント

        久家靖秀(くげ・やすひで)

        写真家の仕事はフィルムやレンズなど機材の進歩によって大きな影響を受けてきました。フィルム生産が減少する中で多くの周辺機材も失われようとしています。私は、作品のほとんどをシートフィルムで撮影してきました。商業写真の大半がデジタルで撮影され、手作業の美しさ、極め細やかさならデジタル修正技術にもあると思われる今日、アナログフィルムを選択肢として残さなければならない理由とはなんでしょうか。フィルムはひとつの言語だと思います。アナログ写真は人間に似ていて、有機的で無限です。アナログは選択肢であるだけでなく、その中にこそ膨大な選択肢があるはずです。作品はフランスの塩田風景です。塩化ナトリウムより天日乾燥の海水塩のほうが高価でもありますが、私たちには美味しく感じられるのです。

        プロフィール
        1962年生まれ。’89年久家靖秀事務所を設立。朝日広告賞、毎日広告賞などを受賞。’00年以降は伝統芸能、演劇の撮影も多く手掛けている。また’02年から『HI FASHION』誌に現代美術家のアトリエを撮影したシリーズ「Stú:diòu」を連載中。グループ展’94-’95年「STREET STYLE展」(V&A MUSEUM, LONDON)、個展’01-’05年「交叉配列」、’03年「Midlife Process」、’06-’07年「久家靖秀展」など国内外での展示多数。主な写真集に’96年『AILENS』、’01年『絶対速度』、’03年『cover/girl』、’04年『LIFT』、’05年『塩ノ花/三宅島』などがある。この秋には新作『庭と園』の刊行を予定している。
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      • 小林紀晴のセレクトプリント小林紀晴のコンタクトプリント

        「ASIAN JAPANESE」1991年 ゼラチンシルバープリント

        小林紀晴(こばやし・きせい)

        一年前よりも、銀塩写真の存在が確実に危ういものとなっていることを、強く感じています。

        プロフィール
        1968年長野県茅野市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真科卒業。新聞社カメラマンを経て、1991年よりフリーランスとしてアジアを中心に活動。「DAYS ASIA」で日本写真協会新人賞受賞。写真活動のほかに執筆活動も行う。著作、写真集ともに多数。代表作は「ASIAN JAPANESE」。最新の小説に「十七歳」(NHK出版)、写真集に「はなはねに」(情報センター出版局)がある。
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        • 小林紀晴の「時を経ても残るもの」
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      • 小林伸一郎のセレクトプリント小林伸一郎のコンタクトプリント

        「少年石膏像」2006年 タイプCプリント

        小林伸一郎(こばやし・しんいちろう)

        「廃墟」をテーマに長年作品を発表していますが、飽きる事のないモチーフにめぐり合い、幸福を感じています。廃墟の撮影にはブローニー、4×5のネガフィルムを使用しオリジナルプリントをする方法を続けています。個性的な色調や好みの質感描写がしやすく、仕上がりのイメージが常に読める事が銀塩を使う大きな理由です。デジタルの特性を見極めて、写真表現に取り込めれば挑戦したいと思いますが、フィルムとの付き合い以上にデジタルに精通するのにはかなりの時間が必要。その時間は被写体との出逢いに費やしたいと思っています。仕事の写真も最近はネガを使えるので、現状の銀塩写真をもっと追求し究めて行きたいのが本音です。

        プロフィール
        1956年東京生まれ。専修大学経済学部卒。1988年㈱スタジオライズを設立。1991年準太陽賞、1994年コニカ写真奨励賞、1997年東京国際写真ビエンナーレ・キヤノン賞受賞。主な写真集に「廃墟遊戯」「廃墟漂流」「NO MAN’S LAND 軍艦島」「Japan New Map」など。写真集「亡骸劇場」「東京ディズニーシー」で2007年度講談社出版文化賞受賞。主な写真展に「ビルディング ザ シャネル ルミエール タワー」東京都写真美術館、他開催。2008年秋には日本全国の島、半島の沿岸を撮影した作品集を出版、尾道「なかた美術館」写真展開催予定。
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        • 小林伸一郎の「時を経ても残るもの」
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      • 菅原一剛のセレクトプリント菅原一剛のコンタクトプリント

        「Stailheim, Norway」1990年 ゼラチンシルバープリント

        菅原一剛(すがわら・いちごう)

        『まあるい粒子の話』
        今回出展した写真は、ノルウェーの滝の写真です。その大きな滝からものすごい勢いで水が落ちていきます。そしてそのもともと透明だった水は、大気とぶつかり合い、押し戻されるように、細かい“粒子”と化しながら、真っ白なかたまりとすがたを変えていきます。そしてそれらはすべて、水という“粒子”の集合体です。このように、今回の被写体である滝はとても具体的に、“水の粒子”という“まあるいもの”の集合体ですが、実はこの世の中に存在する多くのもののほとんどが、“まあるいもの”であると言ってしまってもいいのかもしれません。しかも、いい写真というのは、いつの日もとてもあたたかくて、その印象もとても“まあるい”ような感じがするのです。そして、フイルムの中にも、印画紙の中にも、同じような“まあるい粒子”がたくさん詰まっています。それらが、被写体と呼応しあったときに生まれる“一枚の写真”を、いつまでも大切にしていきたいと思っています。

        プロフィール
        1960年生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業後、早崎治氏に師事。フランスにてフリーの写真家として活動を開始して以来、数多くの個展を開催すると同時に、広告写真及びにCFなども手掛ける。撮影監督を務めた映画「青い魚」は、1996年ベルリン国際映画祭にて正式招待作品として上映された。2005年には、アニメ「蟲師」のオープニングディレクターをつとめる。2008年、書籍「写真がもっと好きになる。」を上梓。
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      • 鋤田正義のセレクトプリント鋤田正義のコンタクトプリント

        「ヴィヴィアン・ウエストウッド1977年」1977年 ゼラチンシルバープリント

        鋤田正義(すきた・まさよし)

        (今回展示の)この写真はロンドンのパンク・シーンをドキュメントした時の1枚。かつて、最もすぐれた世界のファッションデザイナー6人にも選ばれたヴィヴィアン・ウエストウッド、彼女と親しかった当時ロンドン在住のファッションジャーナリスト島田政江さんに紹介してもらってスナップする事が出来た。自然体に撮れた彼女の写真はとても気に入ってくれて、数年後再びスタジオで撮る事が出来た。

        プロフィール
        1938年福岡県生まれ。日本写真専門学校卒業後、棚橋紫水氏に師事。広告代理店大広、デルタモンド勤務の後、フリーに。主な作品としては「JAZZ」のシリーズ(ADC賞受賞)、写真集〜沢田研二「水の皮膚」、デヴィッド・ボウイ「氣」、映画スチール写真集〜ジム・ジャームッシュ監督作品「ミステリー・トレイン」、是枝裕和監督作品「ワンダフルライフ」「花よりもなほ」。他にイ・ビョンホン「パリイ」、「T-REX1972 SUKITA」など。
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        • 鋤田正義の「時を経ても残るもの」
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      • 瀬尾浩司のセレクトプリント瀬尾浩司のコンタクトプリント

        「写真する行為」2006年 タイプCプリント

        瀬尾浩司(せお・ひろし)

        携帯電話やカーナビと、どんどん世の中は便利になっていってるけど、その代償に電話番号や道を覚えなくなった。デジタルで撮影して再生(確認)して撮りなおしているようでは一瞬を捕らえる能力もどんどん低下していくだろう。写真する行為はもっとギリギリの中から生まれるものである。暗室に入りプリントする自分と撮影する自分とはあきらかに違う自分である。何年も前に撮影したネガをとりだして見つめていると思わぬ写真に出会う事がある、時間をかけてゆっくり『熟成したネガ』をプリントするのも写真の楽しみのひとつである。1枚の写真が生まれるまでのそんな行為を愛おしく思う。展示されてる写真はPolaroidから発売されてた『タイプ55』のフィルムで撮影してネガをタイプCプリントした。この『タイプ55』のフィルムも2008年ついに生産終了になった。

        プロフィール
        1968年広島生まれ。1991年六本木スタジオに入社、1992年写真家久留幸子氏に師事し本格的に写真家への道を目指す。1994年写真家植田正治氏に師事。2000年フリーカメラマンとして独立。雑誌・広告など様々な分野でその作品を発表。2004年より植田正治写真美術館で開催の子供のための暗室教室や写真教室に参加、今年で5回目。自身の撮影でもフィルム撮影の作品制作が多く、多くの人達に『フィルムの素晴らしさ写真の楽しさ』を伝えたいと思っている。
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      • 瀧本幹也のセレクトプリント瀧本幹也のコンタクトプリント

        「Hawaii Sea」2005年 タイプCプリント

        瀧本幹也(たきもと・みきや)

        昨今、凄まじい勢いでデジタル化の波が押し寄せてきています。確かに便利ですが、物体としての存在感が希薄でなにか寂しくもあります。写真プリントという物体が残っている事は、つまり僕が写真とともに生活してきた証でもあるのです。昔のプリントには当時の僕のものであろう小さな指紋までもが残っていました。そういった思い出は、写真特有の文化です。フイルムを絶やさず次の世代に残していける様、この活動は続きます。

        プロフィール
        1974年名古屋生まれ。1998年独立。最近の仕事としてPARCO「あるこう。PARCO」やラフォーレ30周年などの広告写真、YMO出演で話題となったキリンラガービールやピグリンが踊るサントリーDAKARAのTV-CM、HONDA「FREED」などがある。また、Mr.Childrenアルバム「HOME」のジャケット写真や「SWITCH」「CUT」といった雑誌の撮影も手掛ける等、幅広い分野で活躍している。
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      • 辻 佐織のセレクトプリント辻 佐織のコンタクトプリント

        「provence 2005」2005年 タイプCプリント

        辻 佐織(つじ・さおり)

        暗室作業ということが、好きです。音楽をバシバシかけてプリントしてることが多いのですが、撮影中の高揚感と暗室の中でフワッと画像があがる高揚感は言葉にならない喜びです。真っ暗な中での自分だけの光というか...嬉しい孤独感です。プリントをはじめて、15年近くになります。当時はよく独特の色ですね...などと言われたりしましたが、自分では、その時々の気分で気持ちの良い色、露出を選んできました。今回は緑を金色の印象で仕上げています。日本で生産終了したAgfaのフィルムも良い感じです。基本的に、明るいクリアな色が好きでデジタルの発色の良さ軽さも時として好きですが、色の厚み、深さという面でプリントのクオリティに近づけるのは難しいといつも感じています。1枚1枚が、手作業で同じものがないのも魅力です。

        プロフィール
        1971年札幌生まれ。1999年よりフリーとして活動開始。2002年、2004年ADC賞受賞。広告を中心に雑誌のエディトリアルCDジャケットなど幅広い分野で活躍中。最近の主な仕事としてキューピー『defe』のTV−CM、SONY『AQUOS』、SUNTORY『野菜カロリー計画』などがある。写真集『SLOW LIFE TRAVELER』プチグラパブリッシング刊。北海道のテレビ局に勤めている妹2人と北海道のガイドブックを計画中。
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        • 辻 佐織の「時を経ても残るもの」
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      • 泊 昭雄のセレクトプリント泊 昭雄のコンタクトプリント

        「ニュートラル2」2008年 タイプCプリント

        泊 昭雄(とまり・あきお)

        私が写真を撮るという行為。それはモノを視つめる事、モノを探る事、そしてモノを愛する事。そこから色々な想像が始まります。時間による光、天候による光、人口的な光、そして音と場。これらを想像し、見えてくる行為に視線を向け、モノの色気を感じとる。あとは写真機のサイズを判断し、シャッターを押したそのシーンを印画紙に焼き付けるのみ。ここには、水と温度、ときには湿度が必要で、撮る行為と同じように紙の上では、銀塩たちが徐々に色気を感じさせてくれます。「撮る」という行為から、表現したいモノがようやく一本のラインになりつながってゆく瞬間です。すなわち、フィルムにまず自分の思いを焼き付け、印画紙には「見せる」という思いを焼き付ける。ここまでの時間の流れは、銀塩でしか味わえないような気がしています。不便さはあるものの、不便さゆえの味わいや奥行きはフィルムでしか表すことが出来ない。私にとって、大切な表現方法のひとつです。

        プロフィール
        1955年、鹿児島県生まれ。’83年にインテリアスタイリストとして活動を開始。’93年からは、写真家へ転身。’01年東京・南青山にギャラリー WALLを設立し、翌年初の作品集『カワタレ』を発表。その後『オモムロニ』『フウロウ』『インテリア』をWALL出版より発行。’04年には、自身でクリエイティブディレクターを務め季刊誌『hinism』(AD:副田高行氏)を創刊。2007年10月、『hinism』に続く2誌目『nagare』を創刊し、写真と印刷の表現を追求し続ける。
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      • 中野正貴のセレクトプリント中野正貴のコンタクトプリント

        「Cuban Carnaval」1997年 ラムダプリント

        中野正貴(なかの・まさたか)

        いわゆる「良い写真」と呼ばれている写真に共通する評価の言葉のひとつとして「シズル感がある」という表現が度々使われる。言い換えれば「みずみずしい」とか「生命感に満ちている」といった意味合いのことなのだが、それはなにも食べ物の写真に限らず、人物や風景そして静物とあらゆるジャンルのモチーフの中に潜み込んでいる写真に潤いと魅力を与える感覚元素のことなのだ。例えばそれに逆光の光が物に当たってハネた瞬間のような光の持つ色気とか風などの自然現象から生まれる場合もあるが、最大の原因は「湿っ気」である。デジタルの写真には、この湿っ気が出にくい。逆に言うと生々しさが薄くなるので、人形的なポートレートか絵ハガキ的な風景写真の撮影には向いている。銀塩写真に魅力を感じるのは、質感、触感、涼感そして臨場感など心にゆさぶりをかけるあらゆる感覚を醸し出すこの湿っ気が写り込みやすいという特徴をもっているからだ。

        プロフィール
        1955年福岡県生まれ。1979年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン科卒業。写真家・秋元茂氏に師事。1980年フリーランスフォトグラファ-として独立。以来、数々の雑誌表紙撮影や広告撮影で活躍。変貌し続ける人口過密都市、「東京」の無人の「瞬間」を追い求め、8×10の大型カメラで10年余の歳月をかけ撮影した写真集『TOKYO NOBODY』はベストセラーに。2001年写真集『TOKYO NOBODY』により日本写真協会賞新人賞受賞。2005年写真集『東京窓景』により第30回木村伊兵衛写真賞を受賞。2007年に『My Lost America』、2008年に『Tokyo Float』と写真集を発売。
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        • 中野正貴の「時を経ても残るもの」
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      • 蜷川実花のセレクトプリント蜷川実花のコンタクトプリント

        「無題」2008年 タイプCプリント

        蜷川実花(にながわ・みか)

        やっぱりアナログが好きです。撮影時のフィルムを消費しているあの感じ、取り返しがつかない事をしている緊張感。日常の生活で、あのときと同じような感覚を味わう事はありません。不思議とデジタルで撮るとあの感覚はやってこない、あの非日常な感覚には、本当に常習性があります。ずっとフィルムで撮影しつづけたいな………。

        プロフィール
        東京生まれ。写真ひとつぼ展グランプリ、キヤノン写真新世紀優秀賞、コニカ写真奨励賞、木村伊兵衛写真賞、大原美術館賞など数々受賞。現在は、様々なファッション誌やCDジャケット、広告を中心に、写真集や展覧会での作品発表で活躍中。映画『さくらん』では監督を務めた。2008年11月に東京オペラシティアートギャラリーから始まる、全国の美術館を巡回する大規模な個展が決定。
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      • M. HASUIのセレクトプリントM. HASUIのコンタクトプリント

        「二日間」2008年 タイプCプリント

        M. HASUI(えむ・はすい)

        昭和38年、世田谷区の下馬の古い集合住宅の前で、父に抱かれて少しだけ笑っている私の写真が、古いアルバムに挟まれていた。当時35歳の父はちょっと気取ったロイドの眼鏡に白い開襟シャツで、髪はポマードでかためてオールバックに決めている。その父は数年前に頸椎ヘルニアで手術を受けたがあまりうまくいかず、その後は歩くことをしなくなり、今は小さな施設の狭いベッドの上でただただぼーっと時間をつぶしている。まるで過去の一日一日を丁寧に思い出してはなぞっているように。今年の父の日に見舞いに行って、車いすで散歩に連れ出した。商店街のイタリアンレストランの前に差し掛かると、小さな声で呟いた。「イタリアには一度行ってみたかったな。きっと綺麗なんだろうな。」じゃあ行ってみようか、と、声にはならなかった。

        プロフィール
        1955年東京生まれ。広告のアートディレクターとして活動後、独学で写真を学び1987年より写真家に転向。1998年スナッピンブッダ設立。写真集に「peace land」(光琳社)など既刊6冊がある。2008年5月にスパイラルにて写真展「PEACE LAND m.hasui panoramic photographs 2002-2007」を開催。また同展にてPEACE LANDシリーズ3冊目となる写真集も出版。
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        • M. HASUIの「時を経ても残るもの」
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      • ハービー・山口のセレクトプリントハービー・山口のコンタクトプリント

        「二子玉川 2005」2005年 ゼラチンシルバープリント

        ハービー・山口(はーびー・やまぐち)

        デジタルは電気信号、フィルムは銀の化学反応。僕は絶対にフィルムの存在感が好きだ。特にライカにモノクロフィルム、そしてバライタの組み合わせに感動する。これぞ永遠。これぞ我が道。

        プロフィール
        1950年、東京都出身。大学卒業後ロンドンでおよそ10年を過ごす。役者を経験したり折からのパンクムーブメントを写真に収めた。帰国後も日本、ヨーロッッパを往復しアーティストから市井の人々のスナップ・ポートレイトをモノクロームのフィルムで撮影している。その清楚な作風を好むファンは多く、他にラジオのDJとして、またエッセイ・作詞執筆、講演会等でも幅広く活動している。個展、著書多数。
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        • ハービー・山口の「時を経ても残るもの」
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      • 平間 至のセレクトプリント平間 至のコンタクトプリント

        「在来線でいこう」2008年 ゼラチンシルバープリント

        平間 至(ひらま・いたる)

        僕も含めて多くの人達がフィルムが少なくなっていく事で写真に対して自覚的になっていった。もしかすると100年後にフィルムは無くなっているかもしれないけれど、今、フィルムを通して世界を愛した事が一番大事な事。

        プロフィール
        1963年宮城県塩竈市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。イジマカオル氏に師事。1990年にフォトグラファーとして活動開始。主な写真展に「MOTER DRIVE」(1995年)「NO MUSIC, NO LIFE.」(2005年)、「田中泯×平間至 写真展場踊り」(2007年)、また、主な作品集に『MOTER DRIVE』(光琳社)、ミュージシャンBIKKEとの写真詩集『Hi-Bi』(メディアファクトリー)、『捨て猫ミーちゃん』、『ミーちゃんといっしょ』、『アイ・ラブ・ミーちゃん』(以上河出書房新社)、『NO MUSIC, NO LIFE.』(マガジンハウス)、ミュージシャン山口隆との写真詩集『そのぬくもりに用がある』(角川学芸出版)などがある。
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        • 平間 至の「時を経ても残るもの」
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      • 広川泰士のセレクトプリント広川泰士のコンタクトプリント

        「Pacific rim」1999年 ゼラチンシルバープリント

        広川泰士(ひろかわ・たいし)

        暗室作業は時の経つのを忘れる程楽しい。フィルムあと何枚残ってるんだろうと気にしながら、大切にシャッターを押すのも楽しい。シートフィルムを裏返しに入れてみるのも楽しい。フィルム入ったままカメラを開けちゃった時は虚しい。失敗すると落ち込むけれど、めげなければ楽しい。手間が掛かるから楽しい。なかなか上手くいかないのが楽しい。上手くいった時はもっと楽しい。経済市場原理だけで、効率だけで、数字だけで判断され、この楽しさが無用なものとして切り捨てられるのは悲しい。1度失ったものを元に戻す事は水や空気の様に難しい。

        プロフィール
        1950年神奈川県生まれ。主な個展「Sonomama Sonomama」イル ディアフランマ ギャラリー、「STILL CRAZY」P3アート&エンバイロメント、「TIMESCAPES−無限旋律−」東京都写真美術館、「Whimsical Forces−時のかたち−」アクシスギャラリー、「As time is−齢−」ギャラリーヴァンテアン、「Time&tide−月・日−」脇田美術館他。作品集『Sonomama Sonomama』、『STILL CRAZY』、『TIMESCAPES−無限旋律−』他。コレクション:L.A.カウンティ美術館、プリンストン大学美術館、サンフランシスコ近代美術館、フランス国立図書館、東京都写真美術館他。
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        • 広川泰士の「時を経ても残るもの」
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      • 広川智基のセレクトプリント広川智基のコンタクトプリント

        「untitled」2008年 タイプCプリント

        広川智基(ひろかわ・ともき)

        今回、参加させて頂くにあたってまず考えたのが、若手写真家の単なる作品発表で終わってはだめだなと思いました。フィルムを残す為のイベントに参加するのだから、フィルムの面白さを一般の方々にも知ってもらえるような展示をしたいと思いました。ネガフィルムというのは露光オーバーに対するラティチュード(撮影できる露光の範囲)がとても広くて、展示しているベタの通り2段や3段くらいオーバーしていても、十分にプリントできます。これはデジカメにはない、ネガフィルムならではの特性です。フィルムカメラを使うのを難しいと思われている方が多いかと思いますが、初めのうちは露出をオーバーめで撮影していればだいたい大丈夫です。写真が上がってくるまでの緊張感と、自分の想像していた物を遥かに超えた写真ができるのを一度味わうと病み付きになります。僕はあの緊張感をずっと味わい続けていく為、真剣にフィルムを守っていきたいと思います。

        プロフィール
        1979年生まれ。和光大学人文学部芸術学科卒。日本写真芸術専門学校卒。第11回、13回ひとつぼ展入選。高校在学中から写真を撮り始め、大学在学中に仕事を始める。雑誌、CDジャケット、広告、TVなど多岐に渡り活動中。2004年度よりNHKトップランナーでゲストポートレイトを担当。2007年東京大学の創立130周年記念事業の一環として「本郷零時3分」展を開催。
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        • 広川智基の「時を経ても残るもの」
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      • 藤井 保のセレクトプリント藤井 保のコンタクトプリント

        「BIRD SONG 9」2008年 ゼラチンシルバープリント

        藤井 保(ふじい・たもつ)

        コンタクトプリントは人にみせない主義で仕事をしてきた。自分が一番良いと思う写真を自信を持って見てもらいたい。そのために気持ちを込めたプリントをする。今迄、仕事のなかでコンタクトを「見せろ、見せない」で何度となく緊張したやりとりをした経緯がある。今回の展覧会企画にはルール違反とは思いつつも1点にフォーカスをする姑息な手法を使ってしまった。スミません。

        プロフィール
        1949年島根県出身。1976年写真家として独立。主な写真展に1998年「月下海地空」Zurich semina rerum、2003年「タイムトンネル・藤井保・旅する写真」銀座G8、2006年「カムイミンタラ」恵比寿MA2,神戸PAXREX他。写真集「ESUMI」「ニライカナイ」「AKARI」「カムイミンタラ」リトルモア刊。書籍「藤井保の仕事と周辺」六耀社刊。
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      • 藤塚光政のセレクトプリント藤塚光政のコンタクトプリント

        「倉俣史朗・カリオカ」1971年 ゼラチンシルバープリント

        藤塚光政(ふじつか・みつまさ)

        『プリント力(リョク)を見せたい』
        僕は今までオリジナルプリントを見せるつもりもなかった。ジャーナリストとして写真は印刷して初めて写真だという信念があって、写真は本や雑誌上に表し、パッケージメディアとして世に放つもので、読者の教養と読み取る力を信じてきた。本の良さは与えられた時間軸に沿って一方的に受けるものではないことだ。ページを繰り、行きつ戻りつ、興味のある誌面を凝視し、つまらぬところは飛ばし、酔って眠くなれば途中で切り上げて良いのである。寝転がろうが姿勢も場所も自由だ。一方、写真もPCやデジタル時代になってデータから画像を得て、次々とモニター上でスキャンし、まるで消費するごとく流すようになってきた。発光画面で知らぬうちに疲労し、手軽に入手した画像に思いも少なく、見る人の読み取る力も確実に弱まっていると思う。これは写真の根本であるプリントを見せるしかないと、思うようになったのである。

        プロフィール
        1939年、東京・芝、生まれ。1961年東京写真短期大学卒。月刊「インテリア」入社、編集・写真を担当。1965年フリーになる。出版社を中心に建築・デザイン関係の撮影を続ける。「日本インテリアデザイナー協会賞」受賞。1979〜2006年、月刊『室内』表紙を撮影。著書に『どうなってるの? 身近なテクノロジー』(新潮社)、共著に『記憶の建築』『神聖空間縁起』『現代の職人』『詠み人知らずのデザイン』『建築リフル』シリーズ全10巻、『意地の都市住宅』『藤森照信特選美術館三昧』などがある。
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      • 本城直季のセレクトプリント本城直季のコンタクトプリント

        「untitled」2008年 タイプCプリント

        本城直季(ほんじょう・なおき)

        50年以上も前に製造されたカメラを借りて旅行に出かけた。そのカメラは露出計もなければ、電池も必要としない、すべてが機械式のカメラだった。35mmの一眼レフだったけれど、慣れてないこともあって、ひとつひとつ撮影過程を確かめながら、じっくりと撮った。はたして出来上がった写真は、半分以上ピントが合っていなかった。けれども、それも良いと思うようになった。失敗が許されない撮影のときもある。しかし、写っているもの対して本当に失敗と言えるものはあるのだろうか? それがときには、思いがけず素晴らしい作品になることもある。写真はまさに偶然の産物である。一方で不思議なことに、写真が人の思うままに作られれば作られるほど、画一的なものになることが多いのはなぜか? 銀塩写真には、偶然も失敗も許容してくれる、幅広い可能性が秘められていると思う。

        プロフィール
        1978年東京まれ。東京工芸大学大学院芸術研究科メディアアート修了。ファースト作品集『small planet』(リトルモア刊)で第32回「木村伊兵衛写真賞」を受賞。今春台北と香港で開催した個展が地元メディアでも話題に。個展や新しい写真集の準備のためにケニアやエジプトそしてドバイでも空撮を予定している。メトロポリタン美術館にコレクションが決まった。
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      • 宮原夢画のセレクトプリント宮原夢画のコンタクトプリント

        「しあわせ」2007年 ゼラチンシルバープリント プリンター:田村政実 (田村写真)

        宮原夢画(みやはら・むが)

        1800年代中頃、ダゲールやタルボットによって写真は画期的な発展を遂げた。ベースは銀と塩化ナトリウムを混合する事によって感光材となる手法。銀塩写真は今もなお生き続け、その先人たちのレールによって私は今写真という仕事に携わる事が出来、又、生きる事が出来ている。その先人たちによって確立された銀塩写真という手法の存在が今、危ぶまれている。それがデジタルの出現であろう。銀塩も写真、デジタルも写真。両方とも写真ではあるが、デジタルの写真は何とも奥行きを感じないと思うのは私だけであろうか? フィルムの中に含まれる銀の粒子は規則正しくなく、ランダムである。それに対するデジタルは、印刷で主流な350dpi(1inchの中に規則正しく350の点が配列されている)。人間の空間を捉える目の中の網膜細胞は人によって異なり配列も規則正しくはない。人はこのような目で空間を捉え奥行きなどを認識しているのである。人間の肉眼は銀塩写真に似ているのである。だから心地よさがあるのではないだろうか? だから人間の持つ感覚にダイレクトに入り込んでくるのではないだろうか? だから私は銀塩写真を操る。

        プロフィール
        1971年東京生まれ。1991年ビジュアルアーツ入学。1993年桑沢デザイン研究所入学。1996年フリーランス活動開始。毎日広告賞受賞。ファッション誌、広告、CDジャケットなど幅広い分野で活躍中。2008年にミラノのGALLERIA CARLA SOZZANIにて個展。国内外において活動をしている。
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        • 宮原夢画の「時を経ても残るもの」
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      • 三好耕三のセレクトプリント三好耕三のコンタクトプリント

        「Tucson, AZ 2007」2007年 ゼラチンシルバープリント

        三好耕三(みよし・こうぞう)

        水の話です、暗室で使う水の話です。学生時代が過ぎ、本気で写真で世の中と関わって行くと決めた時期です。粒子の作り方、揃え方を気にして、現像液や定着液等の溶液を作るのに蒸留水、純水を使って、深みにはまって行きました。暫くするとここは実験室ではない「暗室」なのだと軌道修正したのです。私の暗室は今迄三カ所移りました。最初の暗室は約20年間東京に近い千葉県で関東ローム層を通った井戸水を使った暗室。その次はコロラド川の水を砂漠の真っただ中、州を跨いで引いて来たカルキのたっぷり入った生温い水道水のアリゾナの暗室。そして三カ所目は、近くに「春の小川」が遥か時の彼方に流れ、金魚祭りで賑わう鎮守様があり、多摩川水系から取水し、江戸時代に作られた玉川上水で都心に運ばれる水道水の現役の暗室です。それぞれの暗室で現像したネガは、同じフィルムを使い続けているのに、微妙に違います。プリントを手洗いする時の水の感触もそれぞれ違います。

        プロフィール
        1947年千葉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1979年フォト・ギャラリー・インターナショナル(P.G.I.)で個展。以来国内、外で個展、グループ展を開催。主なパブリックコレクションとして、東京国立近代美術館、東京都写真美術館、日本大学、アリゾナ大学センター・フォー・クリエイティブ・フォトグラフィー(U.S.A.)、ジョージ・イーストマン・ハウス国際写真博物館(U.S.A.)、ホールマークコレクション(U.S.A.)、プリンストン大学(U.S.A.)、クイーンズランド・アート・ギャラリー(オーストラリア)、アリゾナ州立博物館(U.S.A.)他。
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        • 三好耕三の「時を経ても残るもの」
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      • 森本美絵のセレクトプリント森本美絵のコンタクトプリント

        「2004.3. Nederland」2004年 タイプCプリント

        森本美絵(もりもと・みえ)

        何故フィルムなのか、と聞かれれば答えられる答えはいくつもある。いくつもあるけれど、どんな答えを辿っても、結局は「最初に扱ったカメラがフィルムカメラだったから」ということになるだろう。最初にデジタルカメラを扱っていたらどうしていただろう? もはや立ち戻ることは出来ないのでそこに結論はないが、畢竟それが全ての世界の成り立ち方でもある。そして私は今、わずかな写真の歴史の中のその170年目辺りでフィルムについて考えている。一人で考えるのもいいけれどみんなで考えるのはもっといいかもしれない。ベタ焼きを見て、暗室に入り、街へ出て、また次のシャッターを待つ。

        プロフィール
        1974年、岡山県生まれ。東京造形大学卒業。ランドスケープを中心に作品制作に取り組むかたわら、独自の空間感覚を活かし、建築専門誌や美術専門誌、広告、ファッション誌、カルチャー誌、CDジャケットなど幅広い分野で写真を発表。近作に作品集『slicer』(自費出版)などがある。
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      • 山本哲也のセレクトプリント山本哲也のコンタクトプリント

        「AFRICA」2001年 ゼラチンシルバープリント

        山本哲也(やまもと・てつや)

        1つの被写体に対して基本的に1枚しかシャッターを切らないのでFilmを選んで撮影し、現像が上がるまでのドキドキ感がいい! その写真を暗室でプリントする作業は、自分の写真に対して、命を吹き込む作業だと思う。Films Forever

        プロフィール
        1969年大阪生まれ。1995年代官山スタジオを経てフリーランス。雑誌、広告など幅広い分野で活躍中。2000年グループ展「Tokyo Youth」Gallery SPEAKFOR東京。以降、国内・外で個展を実施。写真集にミニ写真集「Instant Picture」(ポラロイドSX70 にて撮影)、「UNITED STATES」ピエブックス。2008年8月、都内にて個展を開催予定。
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      • 若木信吾のセレクトプリント若木信吾のコンタクトプリント

        「ジョン・ミューア・トレイル」2008年 ゼラチンシルバープリント

        若木信吾(わかぎ・しんご)

        今回はステレオカメラを使いました。ジョン・ミューア・トレイルというアメリカの国立自然保護地域の中にあるトレッキング・コースの写真です。ステレオカメラという特殊なカメラの構造上、ベタは特に興味あるものになりました。アナログでなければ表せないない物の一つだとおもいます。このように作品が出来るまでの状況が手に取ってわかることがとても大事だとおもいます。

        プロフィール
        1971年静岡県浜松市生まれ。ニューヨーク州ロチェスター工科大学写真科卒業後、The New York Times Magazine, Newsweek, Switch, ELLEJapon, HF, coyoteをはじめ、雑誌・広告・音楽媒体など、幅広い分野で活躍中。また2004年6月から編集発行人として個人的体験を一般公募で集めたジャーナル誌「youngtree press」(www.youngtreepress.net)を手掛ける一方、第一回監督映画「星影のワルツ」が2007年に公開された。(www.youngtreefilms.net)
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